11回飲食企業再生ポイント/多店化を失敗しないための鉄則/成功の要諦は「心+科学」

11回飲食企業再生ポイント/多店化を失敗しないための鉄則/成功の要諦は「心+科学」

飲食店を開業し軌道に載れば、多店化したいという経営者は多くいるだろう。
しかしただ単にもう一店「作ればいいのだ!」という発想は決して間違いではないものの、あまりにも短絡的であろう。
むしろ今後複数店の出店を計画していくならば、もう少し多店化をするための仕組みづくりが大切になることを忘れてはならない。
一般的に1店の飲食店の開業を成功させたのであれば、2店目も同様な店作りを進めれば成功すると思う経営者は当然のことであろう。
しかし注意しなければならないことは、一般的に従業員や経費は増加するだろうし、特に重要なことは、いつのまにか料理の味やサービスの質がぶれてしまい思うような店の質を維持し続けることができないというケースに陥ることもある。
また売上が想定通りにいかない場合は、事業としての数値管理は大きく変わることである。
一般的に1店が成功すれば同じことをすれば顧客に支持される店作りになるが、立地や環境、ターゲット層が代わらないことが前提(TPSポイント維持)であることを理解しておかなければならない。
複数店を展開する場合には、店舗管理システムがなければ、ゆくゆくは現場レベルがぶれてしまい、現場の負担が増加すると現場崩壊に繋がり売上低下してしまうことを忘れてはならない(経営者と現場に温度差が生じて飲食店の在り方そのものが崩壊してしますことだ)。
特に従業員やアルバイト、パートで店が機能している店は、人手不足で顧客クレーム、売上低下、不振という悪循環に陥ってしまうこともある。2店までは何とかコントロールできるものの、3店目から仕組みがない場合は店の売上や従業員のモラル、モチベーション維持に苦労するケースが多いことを忘れてはならない。
ほとんど多展化を失敗する企業は、従業員とアルバイト、パート教育の仕組みがないことで失敗するケースが多いことである。これが失敗する原因の一つであろう。
さらに経営者自らが従業員やアルバイと現場に立っている場合と経営者と現場と別れている(経営者と現場スタッフの意識交流ができていない)場合には、現場崩壊が原因で多店化を失敗することになる。
つまり多店化で失敗しないためには、以下の項目を遵守することである。
①経営者と現場は、経営思想やスキル、モチベーションは同一にあること
②従業員やアルバイト、パートを大切にすること
③常に現場ミーティングを持ちお客様のためにある店の在り方を話し合うこと
④決して今の成功に自己満足しないこと
⑤QSC(クオリティ、サービス、クレンリネス)レベルを均一化すること
⑥事業計画、損益分岐点など数値管理を徹底すること
⑦業態のオリジナリティをしっかり確立すること
⑧ホスピタリティサービスを徹底的に追求すること
⑨その他細部内容を徹底分析しておくことである。いまやマニュアルは、業務を標準化するためには、必須内容であるものの、サービスの質を高めるためのマニュアル化は過去の常識になりつつある。
つまり複数店を管理するための仕組みとしては、マニュアルで管理する部分と継続経営に大切な計数管理はしっかりと分析しておくことが大切であることを忘れてはならない。
複数店を展開するには仕組みがなければ将来的に現場崩壊に陥ることを理解しておくことである。
成功の要諦は「心+科学」

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