24回 組織優先主義では人は動かない(現場の意見を尊重する)企業再生

24回 組織優先主義では人は動かない(現場の意見を尊重する)企業再生

一般的に企業というものは、トップから末端までピラミッドの組織を形成していることがほとんどであろう。なぜならば、トップや上層部からの指示は、全ての部署、末端の社員まで連鎖的に伝えられることが企業の仕組みであり、ほとんどは組織というものをひとつのチームとしてまとめていることが企業の組織体の仕組みである。

概して企業というものは、大きくなればなるほどゆうずうが聞かなくなるものであり、決定された指示は企業の方針であるという考え方はどんな会社組織でも同じことであろう。しかし忘れてはならないことは、組織を動かしているのはあくまでも人であるということであり、且つその指示や情報を活用するのも人であるということである。

多くの人が働く企業でひとつのチームを形成する組織というカタチは、決して悪い仕組みではない、むしろ大きな企業体を動かすためには、必要不可欠な仕組みであるかもしれない。時代の変化に対応するためには、企業の経営方針の変化や組織としての改革が求められていることを考えれば、ひとつの組織の集合体が企業であるということがコントロールしやすいからであろう。

企業とは人の集まりの集合体でありながらも、組織や企業という言葉に変わってしまうと、なかなかその仕組みから脱することができないのがサラリーマンの性であるものであり、各部署で企業の方針が実践へと具体化される段階においては、種々な弊害がその方針に混在していることも少なくないことである。
しかしなかなかそのけってされた企業の方針を修正するあるいは現場に意見を尊重し、調整するなどの改善がなされぬままに、業務を実行に移さなければならないことはしばしばである。

しかし企業の業種業態にもよるがあくまでも組織の優先主義という思想は、あるときは現場での大きな弊害になっていることは非常に多いことであり、もっと現場の意見やヒヤリングをして企業方針を決定することが、企業と人の関係を旨く維持するための仕組みではないかと思う。特にサービス業という商品を販売するあるいは料理を提供するなど現場での対応が必須になる業種の場合には、現場の意見を十分に聞き、組織に反映することが理想的な組織形態であるが、あくまでも組織優先主義というカタチに左右されることは、現場を動かすための手法としてはあまり得策な仕組みではないはずである。

どんなビジネスの企業体であろうとも、現場の意見を尊重し企業方針を決定することが生きた組織であり、もっと現場の意見を尊重することが組織を動かすためには、有効な仕組みであるはずである。あくまでも組織とは、企業を円滑に稼動させるための仕組みであり、その仕組みに弊害があるものであれば、改善や修正をしてこそ、もっとスムーズな組織体になるはずである。

つまり現場の意見なしに一方的に企業側から方針や指示を現場に落とすことは決して用法ではなく、組織優先主義を重視するよりも、逆に現場優先主義でなければサービス業を経営することは難しい。あくまでもサービス業の末端の消費者は一般の生活者であり、生活者の嗜好や意見を耳に傾けなければ、今後のビジネスの成功は無いことを忘れてはならない。もっと現場の意見を尊重し人を動かすことがスムーズに組織を動かすための手法であると理解すべきである。

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